1.水の電気分解とは?

まず、はじめにアルカリ還元水は、どのようにして作られるものかを簡単にご説明しましょう。
      
電気分解をするには、水に電気が流れなくてはなりません。水はH20ですが、本当に純粋な水は電気をほとんど通しません。

普通、アルカリ還元水を作るには水道水が使用されます。ここには、カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラル成分が含まれています。これらが入っていることで水に電気が流れやすくなっています。塩水に良く電気が流れるのと同じと考えてください。

     
水を入れる箱を用意します。隔膜という仕切の膜で二つに区切った箱に水を入れ、仕切の両側に電極板を入れて直流の電流を流すと、最も基本的な電気分解の装置が完成します(図-1)。

隔膜とはミネラルや各種のイオンを通すくらいの細かい穴を持った樹脂製の膜で、コーヒーを入れるとき に使用するフィルターの目をうんと細かくしたようなイメージのものです。

電極には、普通、チタンという金属で出来た板に指輪などを作るプラチナを薄くコーティングしたものを使 います。

チタンもプラチナも非常に高価な金属ですが、電気分解する水に金属が溶け出すのを防ぐ意味と酸素や水素を発生させる触媒の作用を利用しています。

この触媒の作用を利用するために、出来上がる電解水の用途により、イリジウムという金属をプラチナと 組み合わせて使う場合があります。このイリジウムは、塩素を発生させるための触媒として働きます。
     






2.電解水の成分

陽極(+)側では・・・・

水分子がH+(水素イオン)とO2(酸素分子)とe-(電子)に分けられ水素イオンが増え、酸素分子が水に溶け込んでいます。溶け込む酸素量は容易にその温度での飽和濃度まで上がります。

このとき、オゾン、O2ラジカル等が発生します。さらに相手を酸化させる力を持った酸化性のイオンが多く発生します。

また、強酸化水では電解質(例えばNaCl等)が反応を起こし、その電解質によってもっといろいろな物質が発生します。

これらの水は、酸性を示し、相手を酸化する力を持った水になります。

陰極(−)側では・・・

水にとe-(電子)が作用してOH-(ヒドロキシイオン)が増え、またH2(水素分子)として溶け込んでいます。

さらに相手を還元する力を持った還元性のイオンが多く発生しています。この水の特徴として、酸素等の酸化に関与する物質が極端に減っていることにあります。

また、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム等のミネラルの一部はイオン化してこちら側に引き寄せられます。

こちらの水は、アルカリ性を示し、相手を還元する力を持った水になります。


3.pHって何?

前に述べた通り、電気分解をすると水素イオンの濃度に偏りが出来ます。この偏りを測定して、「酸性」、「中性」、「アルカリ性」の度合いを表しています。pHで表す場合、7を「中性」として、これより少ない数値を「酸性」、7より多い数値を「アルカリ性」と言い、両方とも7に近いほど弱く、7より離れるほど強いことを表します。(図-2)

例えば、pH6よりpH1が強い酸性を、pH8よりpH14が強いアルカリ性であることを表しています。





4.酸化還元電位  ORPってなにっ?

よく電解水のパンフレットや販売店の店員さんから「アルカリイオン水のORPが-100mv以下・・・」「強酸性水の酸化還元電位が+100mv以上・・・」と、いったお話をお聞きになったことがあると思います。

酸化還元電位(ORP=オーアールピーと読みます。)とは、ある科学物が、別の化合物を酸化、還元する強さをmv(ミリボルト)という単位で数値化したものです。

正(プラス)の数値が大きいほど相手を酸化する能力が大きく、負(マイナス)の数値が大きいほど相手を還元する能力が大きいことを示します。

水道水のORPは、+200〜800mv位です。ちなみに、日本の一番、酸化還元電位が大きいのは、大阪の水道水で+800mvを示します。身体を酸化する能力がすごく大きいことを示します。

酸化とは、酸素と結びつかせて鉄などが錆びる現象で、還元とは、この酸化したものを元に戻す力のことです。電解水の場合は、酸化還元に関与する科学物というよりイオンの濃度を表しているといって良いでしょう。

酸性水の場合は正(プラス)の電位を示しますが、O-(酸素イオン)、Cl-(塩素イオン)などの酸化イオン(相手を酸化した力を持ったイオン)が含まれていることを示します。

また、アルカリイオン水の場合は、負(マイナス)の電位を示し、H+(水素イオン)、Ca2+(カルシウムイオン)などの還元イオン(相手を還元する力を持ったイオン)が含まれていることを示します。

強酸性水の場合、特に、酸化還元電位が+1000mv以上を示すものが必要だといわれています。一方、アルカリイオン水は、-50〜-200mv位になります。

この+1000mv、-200mvといった数値はある程度の目安にしかなりません。酸性水であればどれくらい酸化イオンが含まれているか、アルカリイオン水であればどれくらい還元イオンが含まれているかを擬似的に表しているもので「酸化還元電位を○○mvに設定した水という表現は正しくありません。

水道水を電気分解した水には多くの種類のイオンが含まれています。どんな種類のイオンが多く含まれているかによってもこの数字は変わってきてしまいます。

強酸性水を作る場合には、塩(NaCl)を加えますが、塩素イオンや塩素化合物を発生させることで酸化安元電位(ORP)もあがっています。

水道水には、電気分解を妨げる役割を持ったイオンが含まれていることがあります。炭酸イオン緩衝作用(そのままの状態を保とうとする力)を持ったイオンで電位分解によって発生してくるイオンをどんどん食べて(消費して)しまうのです。

この炭酸イオンが多い地区の水道水では、電気分解してもなかなかpHもORPも変わらないということもあるのです。

ここで、ちょっと難しいはなしになりますが、本来、酸化還元電位は、規定水素電極の示す値を「O」として電位差を求めたものをいいますが、電解水で使っている酸化還元電位は、Ag-AgCl(銀〜塩化銀)電極を比較電極に使用(内部液は3.3mol-KCl)して、被検液との電位差を求め、その電位差をそのまま使っています。

電気化学に携わっている方などから、ご質問を頂きますので念のため。
本当の意味での酸化還元電位(Eh)とは異なります。

※酸化還元電位が-200mv以下のアルカリイオン水は効果がない・・・といった表現をする方がいますが、酸化還元電位が様々な効果を現しているという根拠はありません。十分に注意してください。

※また、強酸性水の酸化還元電位は、電極板に使用する金属によって決まっており、白金電極を使っている限り、理論上の上限値は+1200mvです。

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